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【鳴門のもん(人)vol.2】木樽仕込み! 天然醸造の味噌づくりを継承する『井上味噌醤油株式会社』の7代目 井上雅史さん

 

魅力溢れる鳴門のお店や人を紹介する【鳴門のもん(人)】。第2回目は、鳴門市で140年続く老舗の味噌蔵『井上味噌醤油 株式会社』の7代目井上雅史さんにインタビュー!仕込み前の味噌蔵見学をさせてもらいながら、味噌づくりにまつわる貴重なお話を伺いました。

 

先人の知恵に驚かされる日々
念願の「仕込み木樽」を新調

井上さんが家業を継いだのは今から20年前のこと。それまでは神戸にて工業デザインを学び、その道を極めるためモンゴルへの留学を経験している。

 

「モンゴルから帰国するとすぐに、父親が体調を崩したと実家から連絡があり、それがきっかけで家業を手伝うことになりました」。

 

工業デザインと味噌づくり。一見するとかけ離れている世界のように見えますが、“ものづくり”という点で共通している。

 

 

「気温や湿度など日によって変わる天然醸造の味噌づくりは、自然との対話することが大切です。自然とともに暮らすことの大切さを学んだモンゴル留学の経験も味噌づくりに生かされていると思っています」。

 

マニュアル化されていない天然醸造の味噌づくり。幼い頃の手伝いを通じて染み付いた、味噌や麹の香りなどの記憶を蘇らせながら味噌づくりに励む中、祖先の知恵に驚かされ「尊敬しかない」と井上さんは語る。

 

▼生産量は1年間で約10トン。それを家族4人で生産しているというから驚き!

 

そんな伝統を受け継ぐ味噌づくりで忘れてはならないのが味噌を寝かせておく「木樽」。味噌の原料となる大豆・塩・麹と同じくらい重要な存在。

 

「時代の流れで木樽で仕込むところが少なくなりましたが、昔ながらの味を守るためには木樽が不可欠です。木樽職人もほとんどいない状態。そんな逆境の中ようやく、2015年に阿南市の司製樽(つかさせいたる)さんにより4年の歳月を経て木樽を新調できました」。

 

 

味噌酵母を自生させ味噌にとって好環境を生み出す木樽。そもそも、戦後に味噌蔵が木樽を新調することは大変珍しいことだそう。周囲の協力もあり、味噌蔵として大きな一歩を踏み出した井上さん。蔵を案内していただいた際、目を輝かせて木樽の説明をしてくれたその姿からも、「仕込み木樽」へのこだわりがひしひしと伝わります。

 

▼100年以上現役を貫く木樽が並ぶ中、見た目も若いこちらの木樽は2015年に新調されたもの。「敢えて木目の違う部材を散りばめて、木樽に適しているものを探す実験をしています。また、古い木樽と新調した木樽で同時期に仕込んだ味噌もあり、味にどんな違いが出るのか今から楽しみです」と嬉しそうに話す井上さん。

 

▼新調した木樽に使用した杉や竹は徳島のもの。今後も作る木樽には地元のものを使っていきたいと話してくれました。

 

手づくりへのこだわりが、今に繋がっている
そんな「井上味噌醤油」さんは鳴門の誇り

このつくり方しか伝わっていないと言う、「井上味噌醤油」さんの味噌づくりは、40時間ほどかけて徹夜で作業される麹づくりなど、天然醸造の手づくり味噌は過酷な作業の連続。

 

「先代の想いを引き継ぎ、それを代々続けていくことが大事。大変な作業ですが昔のまま人の手により味噌づくりを続けてきたからこそ、今があると思っています」。

 

 

▼麹菌を育てる「むろ」で「モロ蓋」と呼ばれる木箱1つ1つで、焦らず丁寧に麹菌を育てていきます。

 

▼木箱に付着している白いものが麹菌。

 

先代からの常連さんはもちろん、県外からのファンも多く最近では外国人の姿も珍しくないそう。

 

「代々通い続けてくれる地元のお客様からの応援もそうですが、私たちが大切に守り続けている、木樽仕込みの味噌づくりに注目して応援していただけることも増えてきたりと、時代が追い風になってきていますね」。

 

商品パッケージのデザインをリニューアルしたり、贈呈用の商品企画への取り組みなど今までしてこなかった試みも最近のこと。昔ながらの伝統の味を守りながらも、新たな可能性を広げようと常に挑戦し続ける前向きな姿勢に、こちらも応援したくなります。

 

 

発酵調味料として歴史が古い味噌は日本の食文化を支える一員。その食文化の伝承に貢献してる「井上味噌醤油」さんの存在はもはや、鳴門の誇りです。ご近所にとっては当たり前にある老舗ですが、私のように県外から来た者にとっては、思いがけない貴重な発見! 改めて鳴門の底力を感じつつ、いいものがまだまだあると感じた今回の取材でした。

唯一無二の味! こだわりの味噌をご紹介

味噌づくりの原料は全て国産の最高品質のもの。同じ種類の味噌でも微妙に違う表情が楽しめるのも天然醸造の魅力です。タッパーなどの容器を持参すると100g単位で量り売りしてくれるのでおすすめ。しかも、財布に優しい手頃な価格だったので驚き♪ 初めて訪れる方はぜひ、全4種類を食べ比べてみてください!

 

▼写真=左手前から時計周りで「白味噌」「御膳味噌」「常盤味噌」「御膳ねさし」

 

「白味噌」

大豆のまろやかさと麹の優しい甘さが特徴。これからの時期に嬉しい鍋料理にぜひ取り入れてみてください。

「御膳味噌」

鳴門の塩を使用した徳島伝統の味噌。奥深い味わいで味噌料理全般に合わせやすい味噌です。味噌汁の定番味噌ですね。

「常盤味噌」

天日塩や一等大豆を140年前と同じ技術で仕込んだ本格味噌。旨味が強くやや甘口。御膳味噌と合わせて使うとひと味違う味わいが楽しめますよ。

「御膳ねさし」

御膳味噌を2年以上ねかせた味噌で、深いコクと少々の酸味が熟成感を感じさせます。黒ゴマペーストと合わせて食べたら美味でした!

「井上味噌醤油」さんの詳細

「井上味噌醤油」さんのお店の詳細は、下記の鳴との門紹介ページをチェック!
春夏秋冬の味噌屋のレシピ集も紹介されています♪

 

鳴との門の紹介ページを見る

 

まゆママ

まゆママ

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今年4月に東京から鳴門市へ引っ越してきたばかりの新米鳴門市民。美味しいもの、甘いものが大好きで「ダイエットは明日から」が口グセ。運転免許がなく、電動自転車で市内を走りまわる日々に限界を感じつつも、自転車走行だからこそ見つけられる隠れた名店を探す食いしん坊ママ。

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